ご主人様に首ったけ!
「あの、霧様。
差し出がましいかもしれませんが、私、もっと霧様と一緒にいたいです……」

「露?」


霧様が怪訝そうな顔で問いかけてきても、私はさらに続ける。


「霧様が学校へ行ってらっしゃる時、私はこの家に一人……。
とても寂しく思っておりました。
でも、一緒の学校へ行けるとなると同じ時間を共有できる時が少しでも増えるのではないかって……」


もちろん、この家に一人ぼっちと言うわけではない。


でも、霧様のいない時間は淋しくて……。

いつの間にか私は、霧様がとてつもなく大事な存在になっているんです。


だから私は、少しでも霧様と一緒にいたくて零さんのお話を受けたかった。


でも……。


「でも、霧様がそれをお望みでないのでしたら私は……」


私は、霧様の望むことをしたい。


霧様が私が学校に通うことを望まないのであれば、私は霧様に従うまで。


だって、私のご主人様は霧様だから……。


お断りします。
そう答えようとしたら、霧様は……。


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