ご主人様に首ったけ!
突然の霧様の言葉に驚きを隠せず、思わず名前を強く呼んでしまった。


「別々の学校に通うよりは、目の届く同じ学校の方がいいからね」

「あ、ありがとうございます!!」


私も満面の笑みで返し、深々と霧様に頭を下げる。

でも、その頭上から霧様の一言が。


「……ただし」

「え…?」


突然低くなった霧様の声に驚き顔を上げると、霧様は頭に乗せていた手を頬へとずらし、とても真剣な表情で小さく呟かれた。


「絶対に、他の男になびいたりしないで」

「霧様……」


じっと、透き通るような瞳で見つめられ、ドキドキしながらも私も同じように霧様を見つめ返す。


「僕だけの、露でいて…」

「はい、もちろんでございます……。
露は、永遠に霧様のものでございます……」


頬に添えられた手に自分の手を重ね、うっとりと目を閉じる。


すると、そのまま顔を上に向かされ、その行動に気付いた頃には私の唇は霧様に塞がれていた。


< 147 / 374 >

この作品をシェア

pagetop