ご主人様に首ったけ!
「ん……っ、き、りさま……っ」


キスの合間に小さくご主人様の名前を呼ぶ。

霧様もそれに答えてくださり、唇を離すと私の体をぎゅっと優しく抱きしめてくださった。


初めて抱きすくめられた、霧様の温かい胸板……

私も恐る恐る背中に手をまわすと、さらに強く抱き寄せられる。


「露……っ」


ぬいぐるみを取られまいとする子どものように、きつく私を抱きしめてくださる霧様。

そんな霧様の姿がかわいらしく見えて……。


私たちは、ぎゅっと抱き合い続けた。


霧様……。

好きです、大好きです。


私の心は、霧様お一人だけのもの。

決して、他の誰かを好きになることなどございません。
だから、安心してください――……。

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