ご主人様に首ったけ!
それに、心なしかすごく注目を浴びているような……?


でもその視線は特に気に止めず、先を歩き始めていた霧様に続いて校舎の中に入っていった。


霧様に案内されるがまま廊下を歩き、職員室の前に着くと、霧様はドアをノックして先生を呼んでくださった。


その間私はどうしたらいいのか分からなくて、とりあえず廊下で待っていた。


「失礼します。2-Cの東條です。
編入生を連れてまいりました」

「おう、東條か!悪ぃな!」


霧様の言葉に反応し、中からは少ししゃがれた感じの男の人の声が聞こえてきた。


「露、おいで」


霧様に手招きをされ、中の様子を伺うようにゆっくりと入室した。


「失礼します……」

「露、この人が露の入るクラスの担任の先生で、熊沢先生」

「どーもどーも!担任の熊沢だ!熊ちゃんって呼べ!」

「あ、編入生の春日露で、す。よろしくお願いします……」


その豪快な紹介にびっくりしたけど、とりあえず私も自己紹介。


熊沢先生と呼ばれたその人は、名前のように熊のように大きくて、口の周りには黒いひげがいっぱい。

名は体をあらわす…って、熊沢先生のためにあるような…?


でも不潔そうな印象は全然なくて、むしろ目がすごくかわいくて好感が持てる。


つーか、熊ちゃんって……!?

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