ご主人様に首ったけ!
「なに……?」


不思議に思って、入り口に目を向けるとそこには……。


「きゃーっっ!!
東條先輩!」

「うそ-!?ほんとに?
ほんとに東條先輩!?」


いつの間にか入り口の前は人垣ですごくて、そこに誰がいるのかは分からなかったけど、みんなが口にしているのは、“東條先輩”――。


ってことは……!

なんとか、背伸びしたて人垣の奥にいる人物を確認すると、ちらりと見えたその顔に胸が高鳴った。


霧様……!


「なんで!?
なんで1年のクラスに来てるの!?」

「上級生は滅多に4階まで上がってこないのに!」

「本物見れて超ラッキー!!」

「やーんっ、近くで見るとほんっとカッコイイ!!」


女の子たちは遠巻きながらも、霧様を見て歓喜の声を上げている。

その反応は芸能人そのもの。


そして、一緒に話していた牧も……。


「うわー、本当に東條先輩だぁ……。
あ、露は知らないよね?2年の先輩で、東條霧さんって言うの。
すっごく人気者なんだよ!この間まで留学してて、おうちもすっごいお金持ちなんだって~。
先輩、かっこいいなぁ……」

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