ご主人様に首ったけ!
教室から学校を出るまで、ものすごく注目を浴びていたような気がする……。


それで気付いた事。

やっぱり霧様はすごく人気者なんだなぁって。


同級生だけでなく、霧様の先輩も、後輩も……みんなが霧様を見て振り返って、歓声を上げている。


「露、友達は出来た?」


こんなに注目を浴びているのに、霧様は至って平然としていてそんな事を聞いてこられた。


霧様はこの視線気にならないのかなぁ?


「はい、たぶん……」


霧様の問いに、あいまいに答えてしまう。


「たぶん?」

「あ……っ、出来ましたっ」


霧様が少し眉を寄せて怪訝そうな顔をされたので、心配をさせてはいけないと慌てて言い直す。


――友達は出来た。


みんなすごく優しくて、いい人たちばかり。


……でも、さっきのを見てみんなどう思ったかな?

あんなに人気者の霧様と、編入生である私が一緒に帰るなんてみんな不思議に思ったはず。


中には本気で霧様を好きな人だっているかもしれない……。

そんなのきっと許せないよね……。


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