ご主人様に首ったけ!
「露?大丈夫?」

「え!?あ、はいっ!
すみません……っ」


黙ったままボーっとしていると、霧様に顔を覗かれて慌てて笑顔で返す。

でも、それ以上何も話すことはなくてしばらく無言のまま歩き続けた。


「あの……」


同じ学校の学生が少なくなってきたところで、私は思い切って霧様に話しかけた。


「ん?」

「霧様、あんなにみんなに注目されていたのに、気にならなかったのですか……?」

「ん?ああ、気にならないというか、慣れた……かな」

「慣れた?」

「うん。あれは僕が入学した時からあんな感じで……留学する前の半年間はずっとあんな状態だったんだ。嫌でも慣れてしまったよ」


……やっぱり、ずっと騒がれていたんだ……。


なんか、複雑かも。


「ふふ」

「え……?」

「やきもち?」

「えぇ!?」


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