ご主人様に首ったけ！

心を見透かされたかのようなタイミングで言い当てられて、私の心臓は大きく跳ね上がってしまう。


「すごく面白くなさそうな顔をしているよ」

「!!?」


え!?
私、顔に出てた!?

霧様に唐突にそう言われ、思わず顔を両手で覆ってしまう。


「あはは、そうなんだ？」

「え……あ……うぅ～……っ」


うぅ～。
墓穴だぁ～…。

私のその反応を見て霧様はさらに面白そうに笑い、また私の頭を撫でてくれた。


「僕は露がやきもちを焼いてくれるの、すごく嬉しいよ」

「霧様……」


霧様はそう言ってくださったけど、たったこれだけのことでやきもちを焼いてしまうなんて、すごく心が狭い女のような気がして……。


なのに頭に置かれた霧様の手のぬくもりを感じると、心がすごく暖かくなって……。


その時は、嫌な気持ちも忘れる事ができた。


でも、クラスのみんなの反応を思うと自分でも表情が暗くなってしまって…。


私がこんな事を思っている事、どうか霧様には気付かれませんように……。