ご主人様に首ったけ!
食事を終えると陸くんたちは隣の家に帰り、私はというと後片付けを済ませてからお茶を用意して霧様の部屋へと向かった。


「失礼します。
霧様、お茶をお持ちしました」

「どうぞ」


霧様の声が聞こえたのを確認してから中に入り、テーブルへカップを運んだ。


「露、ここへおいで」

「あ、はい……」


霧様の座られている正面の椅子を差され、お言葉通りそこへ腰を下ろす。


でも、霧様は特に何かを話すわけでもなくただ黙っている。

そんな風だから私もなんだか話しかけづらくて、下を向いたまま霧様の様子を伺っていた。


今日の霧様、なんだかおかしい……?

食事中もずっと無言のままだったし……。


もしかして、私のせい……?


気付かないうちに、霧様の気に触るような事してたのかな……?

それなら謝らないと……!

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