ご主人様に首ったけ!
霧様は私の頭を撫でながら徐に立ち上がると、ドアの方に向かって歩いていった。


「霧様……?」


外に何かあるの?

不思議に思って涙を手の甲で拭いながら霧様の動向を見ていると……。


「これで満足かな?父さん」

「え!?」


今、父さんって……。
ってことはまさか!?


勢いよく扉が開かれなだれ込むように入ってきたのは零さんと、帰ったはずの陸くんと綺ちゃん。


「あ、あはははー……」


3人は私と目が合うと、誤魔化すように笑いながらあからさまに視線をそらした。


「え?えぇ!?
な、なんで!?」

「まったく、盗み聞きなんて趣味悪いよ、父さん」


盗み聞き!?

ってことは、今の会話全部聞かれてたってこと!?


「いやぁ、さっき霧は何も言わないし、2人が露ちゃんのことが心配だって言うから、もしかして2人きりになったらなにか進展あるんじゃないかなぁって」


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