ご主人様に首ったけ!
こんな図々しい私のお願いを霧様は聞いてくれますか……?


私はそのまま下を向いたまま霧様の返事を待つ。


その間すごく緊張してしまい、握っている手から汗が滲んでくる。


はじめ霧様は私の言おうとする意味が分からなかったようだけど、すぐに理解してくれたみたいで、私の望む答えを言ってくれた。


「うん。終わったら露のクラスまで行くよ」

「ひゃっ」


わしゃわしゃと髪の毛をかき乱されてしまい、私の頭は鳥の巣状態。


「あはは、ごめんごめん!」


でも、髪をかき乱したかと思うと、両手で綺麗に整えてくれる。

……もう。
そんなことされたら、怒る事もできないじゃないですか……。


「じゃあね、露」

「はいっ!いってらっしゃいませ!」


いつもの癖で、頭を下げて霧様を見送る。


そんな私に手を振ってくださると、霧様は廊下の奥へと消えていった。


< 188 / 374 >

この作品をシェア

pagetop