ご主人様に首ったけ!
学校生活はというと……。

牧たちの言うように、先輩たちの存在を気に掛けながらもしばらくは何事もなく安全に過ごしていた。

霧様とも朝は一緒に登校し、下校時間になるといつも迎えにきてくれる。

それがすごく嬉しくて、幸せに浸りながら過ごしていたんだけど……。


朝も帰りも霧様と一緒なものだから、それが1週間・2週間と続くと有名な霧様のこと……瞬く間に私たちのことは学校中に広まり、転校して1ヶ月も経たないうちに私は全校生徒のほとんどの人に顔を知られている状態になってしまった。


廊下を通るたびにこそこそ何かを陰で言われたり、『東條霧に近づくな』とか、『消えろ』とか色々嫌がらせもあったり……。


でも、そんな事があるたびにクラスの皆がなにも聞かずに支えてくれていて…。

それがすごく心強かった。


みんなにはちゃんと霧様とのことを話したいんだけど、中々タイミングがなくて未だに言い出せずにいる。


それに霧様にも、心配をかけたくなくてなにも言っていない。

もしかしたら勘のいい霧様のことだから気付かれているかもしれないけど……。


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