ご主人様に首ったけ!
痛む左頬を押さえながら、俯いたままでいると先輩たちは声高らかに笑いあった。


「なに?泣く気?」

「やだー、泣けばいいと思ってんの?
超サイテー!」

「てゆーか、泣いても許さないけど!
あはははっ」


別に泣こうだなんて思ってないし、こんな人たちの前で弱いところなんか見せたくないから、泣きたくても絶対泣かないけど!


ただ、今の私はあきれてものが言えないって状態で。


何も言わずにいると、先輩たちはそれを肯定と捕らえたのか、一歩、また一歩とさらに近づいてくる。

後ずさるにも、背中はすでに壁。


前と左右から攻められては、3人からすり抜けることも難しい。


どうやってこの場を切り抜けようと考えている間に、すぐに私の両腕はピンクメッシュとピアスに掴まれてしまい、身動きが取れなくなってしまった。


< 205 / 374 >

この作品をシェア

pagetop