ご主人様に首ったけ!
「と、東條様……っ!」

「私たちは……っ」


先輩たちは必死に弁解をしようとしているけど、霧様のその声に、その存在におびえきっていて、口からはなんの言葉も発せられない。


「あの……っ、東條様!」


しばらく無言が続いていたけど、金髪が意を決したように恐る恐る、だけど強気の口調で霧様を見上げながら話し出した。


「どうしてですか?
どうして編入生で、しかも1年であるその子と仲良くしてるんですか!?」


思い切った質問。

両脇にいるメッシュとピアスも頷いている。


その質問に霧様は顔色を変えることなく、淡々と話された。


「実に浅はかな質問だね。
別に話す義理はないけど、ここではっきりさせておくべきかな」


そして霧様は私の頭にぽんと手を乗せると、その口ではっきりと先輩たちにこう言った。


「露は僕のメイドだよ」

「!!?」


霧様の言葉に、先輩たちはみんな驚愕の表情を表している。


「なぜ!?なぜですか!?
東條様は使用人を誰もつけないって……!」

「そうだね。
でも、露は特別なんだ」

「霧様……」


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