ご主人様に首ったけ!
「行こうか、露」


それ以上は何も口を開こうとしない3人を背に、霧様は私の背中に手をまわすと先を促すように歩き始める。

私は残された3人が気になり1度だけ振り返ったけど、あとは霧様の後に続いて歩いた。

霧様の手が置かれている背中がすごく熱く感じる。


霧様……?

どこへ向かってらっしゃるの?


まだ学校の構造はちゃんと把握していないけど明らかに校舎とは反対の方に向かっている気がする。

話しかけようにもなんだか気まずくて……。


私はただ黙って歩き続けた。


しばらく歩き、たどり着いたのはベンチのある裏庭。

霧様に促され、私も霧様の隣に腰を下ろした。


なんでだろう?

なんで、こんなに沈黙が続くんだろう…‥?


あ!
そうだ、お礼……。


霧様に助けてくれたお礼を言わないと!


「あのっ、霧様、ありがとうございました……。
でも、あんなこと言ってよかったのですか?」


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