ご主人様に首ったけ!
霧様は一瞬私に目を向けると、そのまま先を続けられた。


「彼女たちね、僕と同じクラスの子なんだ。
……自分で言うのもなんだけど、この学校の中に僕を慕ってくれる人たちが多いけど、その中でも彼女たちは群を抜いているというか……とにかくすごいんだ」

「……」


確かに、あんなにギャルギャルしい人たちが霧様の前だとしおらしくなって敬語まで使ってるんだもん、きっと相当なんだよね。


「僕と露のことが噂になっている中で、彼女たちがなにか企んでいることもなんとなく知っていたんだ」

「霧様……」


霧様はすごく思いつめたように話されていて……。

見ているこっちが辛くなってしまう。


「彼女たちが3人一緒に教室から消えていったとき、すごく嫌な胸騒ぎがして露の教室に行ってみたんだけど、露はもういなくなっていた後で……」

「私のクラスにきてくださったのですか!?」

「ん。
でも、クラスの子に聞いたらトイレに行ったきり帰ってこないと聞かされて、すごく焦った。
学校中の生徒に聞いて、探して、ようやく見つけたとき……」


そこで霧様は言葉を切り、私の左頬に手を当てた。


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