ご主人様に首ったけ!
「ちょっとちょっと!どうなってんの!?」

「へ?なにが?」


教室に戻るなり、牧や泉、その他大勢のクラスメイトが私の元へとやってきて、いきなりそんな質問。


どうなってんのって、どうなってんの?


「東條先輩!」

「は?
霧さ……霧先輩がどうかしたの?」

「お昼休みになってすぐ、露を探しにうちのクラスに来たんだよ!」

「あ、うん……」

「なんかすっごく急いでたみたいでさ」

「そうそう!
あんな東條先輩初めて見たよね!」


そっか、霧様がここに来たときみんないたんだね。

ずっと言えずにいた霧様との関係……もう言っちゃってもいいよね……?


「あのね、みんな。
実は……」


興奮している皆を鎮めるかのように、小さな声で話し始めた。

その瞬間教室中は静まり返り、黙って私の話に耳を傾けてくれた。


< 217 / 374 >

この作品をシェア

pagetop