ご主人様に首ったけ!
霧様と聖ちゃんのにらみ合いが続いたかと思うと、その無言の戦いに終止符を打ったのは霧様だった。

霧様は私と聖ちゃんとの間を遮るように立つと、私の手を取りいつものあの笑顔で微笑んでくれた。


「さ、露。
僕たちの家に帰ろうか」

「あ、はい……」


一刻も早くこの重たい空気の中から逃れたくて頷いたけど……。

今、霧様はさり気なくものすごい事をおっしゃったのでは?


「僕たちの……?」


それに聖ちゃんも気付いたようで、問題のその言葉を反芻する。


「あれ?知らなかったかな。
今、露と僕は一緒に住んでいるんだ」

「!!?
き、霧様ー!?」


い、言っちゃった……。

メイドをしている事と付き合っていることはクラスの皆にも暴露したけど、住み込みで働いているってことはなんだか言いづらくて言わなかったのに、霧様はいとも簡単に……。


しかも、その言い方だとかなりの誤解を受けてしまいますーっ!!



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