ご主人様に首ったけ!
「露、本当なのか?」

「うー……っと、まぁ……」


微妙にニュアンスは違う気もするけど、霧様と同じ屋根の下に住んでいる事には変わりない。

だから素直に頷いたんだけど、聖ちゃんはなんだかショックを受けたみたいであからさまにがっくりと肩を落としていた。


「あの、聖ちゃん……?」


突然元気をなくした聖ちゃんが心配だったけど、霧様に『帰るよ』と言われてしまっては私に逆らう理由はない。


「じゃ、じゃあね、聖ちゃん……また明日」


一言だけ聖ちゃんに声を掛けて、私は霧様と一緒に学校を出た。



家までの道のり。


私はさっきの霧様の態度に違和感を覚えていた。

前に会ったときも、すごく聖ちゃんの存在を気にしていたけど、あんなあからさまに態度に示すなんて……。


そんなに霧様と聖ちゃんの相性って悪いの?


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