ご主人様に首ったけ!
「露、そんな顔しないで?
そうだ、露。僕が帰るまで紅茶を入れて待っていてくれる?
露の煎れた美味しい紅茶が飲みたい」

「霧様……」

「なるべく早く帰るようにするよ」


私の思いを汲み取ってくださり、淋しくないように気を遣ってくださる。

そんな霧様に私はどんどん溺れていってしまうのです。


「はいっ!」


そして私も、霧様に悪い思いをさせてしまわないよう、笑顔で返す。


「じゃあ、またね」


そう言って軽く手を振ると、霧様は教室から去っていかれた。

教室に一人残された私を、クラスの子たちは見逃さない。


「露?今日は先輩と一緒に帰らないの?」

「あ、うん……。
霧さ、霧先輩、先生のお手伝いするんだって」

「へぇ~。つーか、さっきの会話なんか新婚ほやほやの夫婦みたいな会話だったけど、どういうこと?」

「えっ」



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