ご主人様に首ったけ!
「で、露の話したいことって?」


ティーカップをソーサーに戻すと、霧様は笑顔のまま私の中での本題へと入った。


「え……っと」


突然話を振られからどこからどう説明したらいいのか分からない。

話の整理がつかない私に、霧様は黙って話し出すのを待っていてくださる。


そして、頭の中で少し話すことを整理すると……。


「聖ちゃんに……」

「!?」

「今日の帰り、聖ちゃんに……好きだ、と言われました」


しばらく間をおき、深呼吸をしたところで今日の帰りの出来事を伝えた。


「……そうか、やっぱり」

「…?
霧様は、ご存知だったのですか?」

「うん、なんとなくね。
彼は僕に敵意剥き出しだったし。まぁ、それは僕も変わらないけれど……」

「え?」

「いや、いいんだ。
……それで、露はなんて答えたの?」


霧様は頬杖をつき、答えを促すように問われて、私は聖ちゃんに伝えたそのままを霧様にもお伝えした。


「あの……、もちろんごめんなさいって……」

「そう。
……よかった」

「え……?」


意外な霧様からの答え。

よかったって……?


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