ご主人様に首ったけ!
「ふぅん。
じゃあ、同棲してるっていうのは?」

「ど!?
ちが……っ、ただ住み込みで働いてるってだけでっ」

「ふぅん、でも住み込みってことは一緒に住んでることに変わりないよね?」

「う……、まあ」


確かに間違ってはいないけど……。

でも、ニュアンスが違うよっ!
2人きりで住んでるって訳じゃないんだもん!


別に住み込みでと言う事はもう周知のことになってしまったから、否定はしない。

でも、神くん…、本当になにを企んでいるの?


わざわざ真相を確かめるだけなら、こんなところにまで呼び出したりはしないよね?

ってことは、他に本題が……?


全く意図が読めない神くんの発言に戸惑っている中、さらに神くんの質問は続く。


「ねぇ、聖の気持ちは知ってるよね?」

「あ……。
う、ん。この間聞いた……」

「断ったんだって?」

「ん……」


やっぱり双子だから気になるのかな?

適当に誤魔化してもいずれは分かってしまう事だから、私はありのままを伝えたんだけど、それを聞いていた神くんの表情が怖くて、なんだかいけないことを言ってしまったような感覚に陥ってしまった。


「俺ね、聖には幸せになって欲しいんだよね」

「う、うん……」

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