ご主人様に首ったけ!
「ん……」


それからどれくらい経ったんだろ。

遠くからベルの音が聞こえたので、目を覚ました。


あれ?
私もしかして、寝ちゃってた?


目を開けるとそこは裏庭。

神くんとの会話が夢ではない事を物語っている。


泣いたまま眠ってしまったから、目が痛い。


時計を見ると、ちょうど5時間目の授業が終わる時間だった。


さすがに6時間目までサボるのはみんな変に思うだろうし。
教室、行かなくちゃ……。


ゆっくりと立ち上がり、重い足取りで校舎へと向かった。


あと1時間で霧様と会う。

すごく会いたいけど、会いたくない。


そうやって考えるほど、足取りは重くなりそれに比例するように気持ちまでも重くなっていった。


教室まで行くと、相変わらず休み時間中のクラスは騒がしい。


「あれ!?露だっ」

「どこいってたのー?」

「あ、ちょっと眠くて、サボっちゃったんだー」

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