ご主人様に首ったけ!
「約束ってなに?
露は彼となにを約束しているの?」

「……」


どうしよう言うなら今だ……。

じゃないと霧様が……っ。


「露?」

「えっ……と、ちゅ、中学の時のみんなでまた遊びに行こうねって……」


なのに、私の口から出る言葉は待ったく別のもの……。

言えるわけないよ……。


「本当に?」

「……っ」


霧様のこの綺麗な瞳で見つめられてしまうと、全てを見透かされてしまいそうで……。


私のついているこの嘘さえも無意味なんじゃないかって、無駄なんじゃないかって思う。


でも言えない……。


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