ご主人様に首ったけ!
「ねぇ、露。どこまで本当なの?
露の口から本当のことが知りたいよ……」


まっすぐに私を見て牧が言ってくれる。


「……全部、本当だよ……」

「!!」


私は、霧様が傷つけられるのが怖くて。

だから、神くんの脅しに勝てなくて……。

聖ちゃんと付き合ってる。


こんなの、絶対におかしいって分かってる。

もしかしたら、これは神くんのハッタリかもしれないって思った。

実際に神くんが強いところを見せられたわけでもなければ、霧様が危険な目に遭ったところを見たわけじゃない。


でも、もし。

もしもそう信じきって、霧様に危険が及んだら……?


そう思ったら、なにも行動できなくなってしまったの。


誰かに相談しようかとも思った。

でも、そうすることで神くんが行動を起こしたらって思うとやっぱりなにもできなくて……。


無力な自分がすごく、すごく情けない……。

だから、こんな方法でしか霧様を守る事ができなかったの……。

どんなに私が悪者になっても、霧様だけは守りたいの……。


「あんなに東條先輩と仲良かったのに……」


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