ご主人様に首ったけ!
「残念だったな、ピンクのいるかいねぇってよ」

「なんだぁ~。
残念」


水族館。

一通りの魚や海の生き物を見てまわって今は、聖ちゃんがソフトクリームを買って来てくれたので、それを食べながら2人でベンチで休憩中。


あーあ、ピンクのいるかに会いたかったなぁ。


「お前、中学の時もそんなこと言ってなかったか?」

「え~?そうだっけ!?」

「黄色のくじらが見たいとか、赤いペンギンが見たいとか……」

「そんなこと言ってないよ!
小学生じゃないんだもんっ」

「あははっ」


聖ちゃんはいつも私を笑わそうとしてくれる。

聖ちゃんの話は面白いんだけど、やっぱり聖ちゃんは一番仲のいい男友達って感じで……。


申し訳ないけど、きっとこの先もそれ以上の感情を持つ事ができないと思う。


こんな誰の得にもならないこともう終わりにしたいのに、霧様を守りたい一心で嘘をつき続けている私は……。


< 306 / 374 >

この作品をシェア

pagetop