ご主人様に首ったけ!
「はあ――……っ」


部屋に着くなり大きなため息をつく。


こんなやるせない想い、いつまで続くの……?

全てが中途半端で何もかもが嫌になってくる。


霧様が好きなのに、神くんに脅されて聖ちゃんと付き合って。

聖ちゃんを好きになろうとしているのに、霧様を忘れられない。

だけど、霧様を傷つけられたくなくて、本当のことを言う事ができない。


なんか、疲れちゃったな……。


自分の心に嘘をつくのも、聖ちゃんや霧様に嘘をつくのも。


ベッドにもぐりこみ、きつく目を閉じる。

様々な葛藤が胸の中を駆け巡るけど、自分ではどうする事もできなくて……。


そんな時、ふとある人のことが頭によぎった。

あの人なら、何かいいアドバイスをくれるかもしれない。

霧様に会ってしまうかもしれないけど、明日行ってよう。


それからはもうなにも考えたくなくて、夕食を済ませてお風呂に入るとそのまますぐに眠ってしまった。

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