ご主人様に首ったけ!
蓮さんの前のカウンター席を勧められて、そこに座る。


「いちごみるくでいいですか?」

「はい……」


蓮さんは注文をとってくれると、すぐに後ろの厨房に向かい、作り始めてくれた。


「なにかありましたか?」

「あ……えっと……」


唐突に問われ、返事に困ってしまう。


蓮さん、鋭いよ……。

どうしよう、なんて答えればいいんだろう。


蓮さんは背中を向けていたけれど、私のそんな戸惑いに気付いてくれたのか、話題をそらしてくれた。


「そういえば、数日前、霧くんもここに来ましたよ」

「え……霧様もですか?」

「……彼も思いつめたような顔をしていた」

「……」


霧様も同じようにここに来て、蓮さんに相談を……?

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