ご主人様に首ったけ!
「はい、お待たせいたしました」

「ありがとうございます」


出来立てのかわいいいちごみるくを差し出されて、思わず笑みがこぼれる。


「僕のおごりです」

「えっ!でも……」

「いいから。ねっ」


軽くウインクをされて、これ以上は断り切れず連さんの言葉に甘える事にした。


「おいしい……」

「そう、よかった」


ピンク色のそれを何度も口に運び、その味を噛みしめる。

いちごみるくの味が口の中いっぱいに広がるたびに、霧様との甘い甘い思い出が胸いっぱいに広がって……。


気付いたら、涙を流していた。

霧様と別れてから泣かないって決めてたのに……。

強くなるって決めてたのに……。


あまりにもこのいちごみるくの味が優しすぎて、連さんの優しさに触れているような気がして……。

今まで堪えていた全てのものを吐き出すように静かに泣き続けた。


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