ご主人様に首ったけ!
「ピンクのいるかに会えるかなぁ!?」

「ピンク!?そんなのいるのかよ!?」

「え!?いないの!?」

「いや、俺が聞いてんだけど……」


それからの露は、いつもと変わらず、むしろ今までで一番テンションが高いような気がする。

無理をしているのが分かっていたけれど、俺はなにも言わず、黙っていることにした。


そして――。


「露?」

「え?
あ……、ごめん。何?」

「……」


一通り水族館内を見て周り、ベンチで休んでいたらまた急に露が黙り込んでしまった。


今までも露はそれまで普通に話していても、突然黙り込んだり、悲しい表情を見せることが多い。


なんだよ。

なんなんだよ!?


俺は、露の気持ちが分からなくて、露の気持ちを確かめたくて――。


覗き込んできた露の唇に、自分の唇を触れさせた。


その瞬間……。


< 317 / 374 >

この作品をシェア

pagetop