ご主人様に首ったけ!
あの時の露は……。

何かためらうような、そんな雰囲気だった。


一体何を隠している?

何を抱えている?


もどかしい。

露に、何もしてあげられない自分がすごく……。


「大丈夫ですよ」

「え?」

「焦らなくても、おのずと答えは見えてきます。
霧くんは霧くんのやり方で、想い続けていればいい」

「蓮さん……」


蓮さんは、いつも僕の心を軽くしてくれる重たい言葉を言ってくれる。

現に、こうして悩んでいた心がすっと軽くなっていった。


「ありがとうございます、蓮さん。
今日はこれで失礼しますね」


席を立ち、ポケットから財布を取り出そうとするとその手を止められ、


「今日は僕のおごりです」

「……ありがとうございます」


薄く微笑んで、止められた手を戻すと僕は蓮さんに頭を下げて『strawberry milk』を後にした。


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