ご主人様に首ったけ!
「……俺を脅す気ですか?」

「脅す?
おかしいな、僕の言っていることは空想なんだろう?ならば、誰も脅されることなんてないはずだ。もちろん君もね」

「……!!」

「今僕が言ったことを脅しと捕らえるとすればそれは、空想ではないと言う事になる。
どうなんだ」

「……っ」


彼の顔には余裕の表情はなくなり、苦虫を潰したようなそんな顔をしていた。


「露はまじめだからね。
変なやからの言葉を鵜呑みにしても仕方がないけれど……
やりすぎだ」

「……俺が何をしようとあなたには関係ないでしょう」


開き直ったのか、彼は鋭い視線で僕をにらみつけ威嚇する。


「そうかもしれないね。
でも、露が絡むとどうかな?露は元々僕のものだ」

「……むかつく」

「気が合うね、僕も同意見だよ。
……っ!?」


明らかに敵意をむき出しにしてきた彼に少々警戒しながらも、薄く笑ってそう言うと、
案の定彼の拳が僕の顔にめがけて飛んできた。

それを難なく避けて交わしたと同時に、右の拳を繰り出し――。

彼の顔に当たる寸前で、その拳を止めた。


「……っ」
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