ご主人様に首ったけ！

「あの……」

「え？」

「心に出来た空洞は、あけたその人たちしか埋めることができないんじゃないかって思います。
だから、これからたくさんの愛情を霧様に注いで差し上げれば、きっと霧様の心の隙間も埋まるんじゃないんですか？」


って!?

私、なに言っちゃったの!?

心の問題なんて、そんな簡単なことじゃないのにっ。
なに偉そうな事言ってるのー!?


しかも、ご主人様のお父様にっ!!

ひゃあぁ～!!これじゃあ、私仕事する前にクビだよぉ～っ!!


「あぅっ、ご、ごごごめんなさいっ！
偉そうな事言ってっ!!
よく知りもしないやつがそんなこというなって話ですよね!?」

「……」


余計な事をぺらぺらとしゃべってしまった後悔が頭の中で渦巻き、心の中で頭をかきむしる。


先手を打って謝ってみたけど、零さんは驚いたようにだまっているだけ。


うぅ～、この沈黙が辛いっ、なにかしゃべってください～。