ご主人様に首ったけ!
それから。


聖ちゃんはどれだけ怒っていても、顔を見たくないといっていても、やっぱりちゃんと家までは送ってくれて……。

そんな聖ちゃんの優しさが、余計に胸にしみた。

こんなにも優しい聖ちゃんを、私は深く深く傷つけてしまった。


もしかしたら、新学期からは話もしてくれないかもしれない。

目も合わせてくれないかもしれない。


自分でまいた種なのに、それがすごく悲しい……。


ごめん。

ごめんね、聖ちゃん……。


帰ってからは、何もする気がしなくてただボーっと窓の外を見ながら過ごしていた。


神くんが謝ってきてくれて、全て解決できると思っていたのに……。

聖ちゃんのことも、霧様のことも、何一つ解決なんかしていない――。


これからどうなっちゃうんだろ?


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