ご主人様に首ったけ！

「ふふっ」

「え？霧様……？」


突然笑われて、私は訳がわからずきょとんと霧様を見つめ返す。


「いや。露は本当に嬉しそうにというか、楽しそうに笑うんだなと思って」

「えぇ!?」

「僕は、そんな風に笑ったりはしないからね。うらやましいよ」


霧様の意外な発言に私は驚く。


だって、私なんかより……！


「そんなっ！
霧様の方が……、霧様の笑顔の方が素敵ですっ!!」

「え？」

「初めてお会いした時に見た霧様の笑顔、あまりにも綺麗で、優しくて……。
私、霧様から目が離せませんでしたっ。だから、その……」


旨い言葉が見つからなかったけど、どうにかしてこの思いを霧様に伝えたかった。