ご主人様に首ったけ!
初めて霧様を見た時、心の底から綺麗な人だなぁって思った。


緊張でがちがちだった私を、霧様は優しく迎え入れてくれて……。


その向けられた笑顔に救われたんじゃないかって、本当にそう思う。


だって
あそこでドン引きされたり、怒られたりしたら絶対に今この場にいないもん。


霧様が、私のご主人様でよかった……。


でも、霧様の私の第一印象はきっと最悪なんだろうなぁ……。


「ありがとう、露。
露にそう言ってもらえるとすごく嬉しいよ」

「ぅえ!?あ……っ!?えぇ!?」


う、嬉しいって……。
そんな顔で微笑まれたら、私のほうが嬉しくなってしまいますっ。


半ばトリップ気味だった私の目の前で、微笑まれてまたおかしなことを……。

その反応に、霧様はさらに可笑しそうに笑い出してしまった。


「あはは、露は本当にかわいいね」

「っ、霧様!?」


頭をなでなでされてしまい、なんだか子ども扱いされたような気がしたけど、やっぱりそれが嬉しくて、しばらく黙ったまま霧様のその行為に甘えていた。


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