ご主人様に首ったけ!
それに、どう思う、なんて言われても……。

綺ちゃん、どういう意味で聞いてるんだろう?


「好き?嫌い?」

「へぇ!?」

「なにその気の抜けた返事はー。
どうなの?霧くんのこと、好きなの?嫌いなの?」


突然立ち上がった綺ちゃんに、取調べを受けるように顔を間近に近づけられてしまい、それにつられて私も上半身が反ってしまう。

返答には困ったけどでも、霧様のことを好きか嫌いかって聞かれたら……。


「……そりゃ、好き……だよ」


これは迷うことなく言えることだと思う。

だって私のためにメイド服まで作ってくれて、あんなに優しいご主人様を嫌いになれるわけがない。


ただ、それが恋愛感情なのかかって言われると……。

それはまだ分からない気がする……。


「そう、ならよかったわ」


綺ちゃんは私のその返事を聞くと、またニッコリ笑って椅子に戻った。


「で、でも!!」



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