ご主人様に首ったけ!
すると今度は、今まで黙っていた陸くんが血相を変えて立ち上がった。

その勢いに私も思わず驚く。


「な、なに!?陸くん……」

「恋愛感情で霧くんを好きになっちゃだめだよっ」

「なんで?」


不思議な事を言ってくる陸くんに、私と綺ちゃんの声が同時にハモってしまう。


「だ、だって!ほら、霧くんは露ちゃんのご主人様だしっ!
メイドさんがご主人様を好きになっちゃまずいでしょ!?」

「そうなの?」


陸くんの言葉に私は綺ちゃんに確認するように視線を向ける。


「さあ?私、そんな事聞いた事ないわよ?」

「!!?」

「だって、昔の上流階級とか、貴族ならまだしも……。
今の時代、身分が~とかあまり関係ないんじゃない?陸くん頭固いよ」

「で、でも!!
上下関係はしっかりしないとっ」

「とかなんとか言って、露ちゃんが霧様を好きなのが淋しいんでしょう?」

「!!」

「ビンゴ?も~、男親ってこれだから……。
でも、霧様ならいいじゃない。陸くんもよーく知ってるでしょう?」

「そうだけど……」


< 73 / 374 >

この作品をシェア

pagetop