ご主人様に首ったけ!
そ…っか、そうだよね。

デートに出かけるんだもん、いくらメイドとはいえ他の女に手伝われるなんて嫌だよね……。


「ご、ごめんなさいっ!!気づかなくてっ!
私、すぐに出ていきますねっ」


これ以上霧様に迷惑をかけないためにも……そして、私自身これ以上傷つきたくなくて、私は早口に喋り出口の扉まで駆けて行こうとした。


けれどそれは、霧様の伸ばした手により阻まれ、急に走る勢いを失った私はそのまま霧様の顔を見つめた。


「き、り様……?」

「ねぇ、露は何か勘違いをしている?」

「勘違い……ですか?」


どうして?

勘違いってどういうこと?


だって、霧様はこれからデートをするために普段とは違う格好をされていて、メイドである私は今ここにいない方がいいんですよね……?


なんて思っていると、今度は霧様から違う質問を投げかけられた。


「うん。
露は僕が誰と出掛けると思っているの?」

「え?あの……彼女さん?」

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