ご主人様に首ったけ!
でも、霧様はそんな私をとがめることもなく、肩に両手を乗せまっすぐ私の目を見て言葉を続けた。


「そんな風に思っていてくれて嬉しいよ。
でも、僕が露と一緒にいたいんだ。
明日から学校も始まるし、露との時間が減ってしまうからね」

「霧様……」

「嫌かな?」


覗きこむように問われると、その瞳に吸い込まれそうになる。


そんなの答えは決まってる。


「……嫌なんかじゃありません。
私、霧様と一緒にお出かけしたいです……」

「よかった。
じゃあ、露も着替えておいで。さすがにその格好だと目立ってしまうからね」

「はいっ!」


霧様にそう言われ、私は着替えるために再び家に戻った。

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