ご主人様に首ったけ!
「露は本当に面白いね。大丈夫、分かってるから。
今日はデートというのが名目だからね。露が迷惑でなければ、僕をその彼だと思ってくれて構わないよ」

「そんなっ!迷惑だなんてっ」


そんなことあるわけがない。

そんなこと思うわけがない。


だって、私は霧様を心からお慕いしているから……。


たった一瞬のままごとでもいい。


私は、少しでも霧様に近づきたいです……。


「じゃあ露、行こうか」


照れくさくて俯いていると、目の前に霧様の手が差し伸べられた。


その手を取っていいのかすごく迷ったけど、悩んだ末私は恐る恐る差し伸べられた手に自分の手を重ねた。



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