ご主人様に首ったけ!
ふぃ~、突然話振られるからびっくりしちゃった。


「ああ、こちらは、僕のメイドの春日露さん。
露、こちらがこの店のマスターで立花蓮さんだよ」

「あ、はじめましてっ、春日露です」


霧様に紹介されようやく緊張が解けてくると、前に歩み出て少し頭を下げながら自己紹介をした。

き、今日はキョドってなかったよね!?
大丈夫だよね!?

内心ドキドキしながらも、立花さんの反応をうかがう。


するとその綺麗な顔柔らかく緩み、丁寧な口調で挨拶をされた。


「こんにちは、ここでマスターをしています、立花です。
それにしても、霧くんのメイドさんとは……」

「?」


うーん?

心なしか私、物珍しそうに見られてる?


蓮さんの視線に疑問を抱いていると、それを遮るように霧様は私の前に立ちはだかられた。


「露、キケンな大人の毒牙にかかってはいけないから席にいこう」

「え?あ、はい……」


毒牙……?

って何のこと?

< 94 / 374 >

この作品をシェア

pagetop