ご主人様に首ったけ!
霧様のその言葉の意味が分からなかったけど、とりあえず促されるままカウンターから少し離れたテーブルにつく。


それでも店内は、カウンターからどこの席も見渡せるようになっていて、お客さんと店員さんの距離がすごく近く感じる。


カウンターからは蓮さんの楽しそうな笑い声が聞こえてきた。


「ふふ、余程お気に入りのようですね。
お2人とも、ご注文はいかがいたしますか?」


あ、そっか。

ここ喫茶店だから、なにか頼まないと。


すっかり、霧様と蓮さんの楽しそう(?)な会話を聞き入っていて忘れるところだった。

テーブルの脇に置かれているメニューに目を通していると、


「露、ここはね店の名前からも、いちごみるくがすごく美味しいんだよ。
もし苦手じゃないなら、飲んでみたらどう?」

「私、いちごみるく大好きですっ!」

「そう、ならよかった。
じゃあ蓮さん、よろしくお願いします」

「かしこまりました。腕によりを掛けて作らせていただきますね」


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