What is happiness?
「梓、正直に言うよ。」
「え…?」
「お前の思い出の相手は、俺じゃない。お前の思い出の相手は…。」
「え?」
「ユファンだよ。」
「ユ……ユファン?」
「もう、抑えきれなかったよ。お前が思い描いている人物、つまり思い出の相手は俺じゃなくてユファンだよ。記憶が無くなる前は、お前はユファンと付き合ってたんだ。でも、ユファンとユマの間に子供が出来た事を知って、お前はショックで倒れたんだ。そして、起きたら記憶が無くなってた。」
「私は…。ユファンと?」
「うん。」
「そんな……。」
「ユファンとユマの子供は、ユマが薬を使ってて出来た子供なんだ。だから…。ユファンが悪い訳じゃない。」
「ユファンが?」
「お願い。それだけは信じて。」
「うん。分かった。でもさ、何で…。」
「…お前の記憶を戻すには、俺と付き合わなきゃいけなかったんだ。俺とユファンは遺伝子が似てて、その同じような遺伝子で愛せば、お前の記憶が戻るって先生に言われたんだ。」
「それで…。ハランと私は付き合ってるの?」
「うん。」
「何で普通に私とユファンが付き合わないの?」
「ユファンは、子供が出来てるなんて思わなかった。なのに、ユマが薬を使ったせいで子供が出来た。その事に対してかなりショックだったんだ。」
「…そっか。」
「うん。ユファンも精神的にダメージを受けていて、今頭痛とか吐気がしてる最中なんだ。だから、そんなユファンと付き合ってもダメだろ?でも、もう梓が記憶を戻したから、良かった。」
「ん…。じゃあ、今からどうすればいいの?」
「とりあえず、ユファンに会う?」
「今会って大丈夫なの?精神的にヤバイんでしょ?」
「大丈夫。こっちが落ち着いて会えば、向こうも落ち着くだろうから。」
「うん…。じゃあ、会ってみるよ。」
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