黒と白−世界の果て−
ドンッッ
――なっ……!?
恐い男が手を上に挙げたかと思ったら。
炎がきれいに消えた…。
『小癪なっ!』
黒い人が怒鳴る。
「――去れっ!!」
。
恐い男が叫んだと同時に白い光が現れて、黒い人を包み込む。
『ぐぁっ……眩しい………っっ』
バシッと音がして、黒い人は消えた。
「し、死んだの…?」
「いや…逃げた、な。」
恐い男は少し溜め息をつく。
……恐い男…あんた、すごい強いじゃないか。あれが魔法…。
すごいよ、あんな戦い、見たことない――
「恐い男、あんた、魔法使いなの?」
聞いてみる。
「当たり前だろ。それにオレは、恐い男、じゃなくて、アドメン、だ。」
恐い男、いや、アドメンは少々怒り気味で、そう言った。
やっと、帰れる。ああ、色んな事があったなと、しみじみしようとしたら。
「城に戻りましょう。ルトさんも。」
王女の言葉に、
「え……?」
と、首を傾げる自分。