黒と白−世界の果て−
『別に、そういう訳じゃないよ』


「…………。」





わかってる。風は、そんなつもりで言ったんじゃないって事。
だけど、



「恐いの、私。――世界が恐い。滅んでいくのが、恐いんだっ!恐くて恐くて、旅になんか出られないんだ!!」




ああ、こうやって喚く自分なんか、嫌い。

いつだって、何か反抗的で、楽な方向にばっか考えていて。

誰かのために力を尽くす、なんて思ってなくて。
殻に閉じこもっているんだ。








『僕達風は、世界を見てきたよ。たくさんのいろんな世界を。』




風が言う。
私は顔をあげ、風を見る。



『ルトに、世界を見てほしい。世界は綺麗で美しいって事。それを見た、喜んだ顔をしたルトを見たいんだ』




風は、世界が大好きなんだ。
そして、風は私の事を好いてくれてるんだ。





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