黒と白−世界の果て−
急に、何ともいえない気持ちが押し寄せてきて、


「………ごめん…。」



その一言。





『謝らなくてもいいよ。ルトは、そういう性格だしね』



風は少し笑う。



「悪かったですねー、どうせ私は捻くれ者の強情の面倒くさがり屋ですよ。」


『そこまで言ってないよ〜』







風は私の友達だ。
風は、私のためを思ってくれている。
私に、素晴らしい世界を旅してほしいと、願ってくれている。







いつだったか、

「風しか友達がいないなんてかわいそ〜。」

と、言われた事がある。



昔の私は正直、風と喋れる能力を持っている事が嫌だった。



しかし、だった、は、過去だ。




自分の事を大切に思ってくれて、自分も大切にしたいと思う。

そういう感情こそが、何よりも大切。
これは、恋ではないと思うけれど。



私は、風が大好きだ。
でも強情な私にその言葉を口にする事はできない。


言えないけど、伝わるように。
大好きだから、私は決意する。





「旅、するよ。」




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