黒と白−世界の果て−
「な、なぜ…?」


何か深い訳があるのかと思い、問い掛けると、



「だって、怖いもんっ!!」




……それだけかっ!!



「そんな事言われても入らなきゃっ!」


無理矢理ミシャの手を引っ張る。


「いや〜っ!怖い怖い怖い〜っっ!!」


ミシャも負けずと手をぶんぶんと振り離そうとして抵抗する。


そんな私達を普通に見ているアドとエル。


「あんたら、何とかしなきゃいけないんでしょ!?」


二人に声を掛ける。
すると、アドが私の手を、掴んでいるミシャの腕から離し、




「姫、大丈夫です。オレが姫を必ず守りますから。」


と、ミシャに言った。



「アド……。」


「だから、森の中に入りましょう。」


「………うん。」




え。すんなり頷いたよ。
ミシャ、単純すぎ。

そしてアド、あんたよくあんな恥ずかしい言葉言えるな。
私の気持ちを察したのか、エルが、


「アドは、姫にはいつもあんな感じですよ。」


と、私に言った。


「あはは、恋人みたいだね。」


「ええ……。」


そう言ったエルの顔は、なぜか切なそうだった。




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