黒と白−世界の果て−
エルが顔を歪め、何かを察したのか、急に、




「逃げて下さい!こいつはこの前の奴とは違いますっ!!」







は?何が?





と、思ったのも一瞬で。


グイッと腕をミシャに引っ張られ、


「エルなら大丈夫、だから今は逃げよっ!」



と、言われ――



エルは、一人であいつに立ち向かうの――?







私とミシャは、エルから離れた。


そして、しばらく走って。








「ふう。もう追ってこないよね!」



「だったらいいね。」





何か、すごい奥の方に来ちゃったなー。
どうするんだろ。


あ、そういえば。


「ミシャ?私って、強い力持ってるんだよね?」


「うん、みたいだね!!」


「じゃあさ、さっきの奴も簡単に倒せたんじゃないの?」


「ダーメっ!ルトは別に戦わなくてもいいよ!私も滅多な事がない限り力使わないし!」



「そうなの?」


「うん!」




じゃあ、私旅に出た意味あるのか?
それに、こんな森の奥深く、なんて予想外だよ。





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