黒と白−世界の果て−
「あと、もう一つ聞こうと思ってたんだけど、」


ガサッッ




いきなり向こうの方から、音がした。




「え、え、え!?何、やだ、怖い〜ッッ!!」



あ、もうこの子パニック起こしてる。



まさか、悪しき者――






「エルは?」





何と。
現れたのは、たくさんの食べ物を手に抱えていたアドだった。




「あんた、よくそんなに食料見つけられたね。」



「ああ、まあな。それよりも、エルは何処にいるんだ?」




少し焦っている様にも見える。




「エルなら…悪しき者と、」


そう言ったかと同時に、



アドが食料を地面に投げすて、走りだした。


私達も思わずアドを追いかけて、


「ちょっ、何処行くの!?」


と、必死に追い付こうとしながら問うと、


「エルのところ」


ボソッと言って、更に足の速度を上げ、行ってしまった。




「私達もさっきの所に行こう!!」


「うん!」





そうして、さっき逃げた意味もないまま、エルのもとへと急ぐ私達。





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